渚~坂の下の別れ

RING RING RING!

ともしび


スローカーブ

同じ高みへ

BOYS DON'T CRY

目覚めた朝に

old summer days

Unjust Life

hope

小さなてのひら (off vocal ver.)

麻枝准

13 rooms
麻枝 准(まえだ じゅん、1975年1月3日 - )はKey(株式会社ビジュアルアーツ傘下)所属のシナリオライター、作詞家、作曲家。三重県出身。三重高等学校卒業。中京大学文学部心理学科卒業。ファンからの愛称はだーまえ。本名、前田純(読みは同じ)。シナリオライターとして一躍Keyを人気ブランドにした立役者の一人であり、業界内でも麻枝のファンは多い。作詞・作曲家としても非常に高い評価を得ており、KeyのゲームのOP曲やED曲で麻枝が手がけているものも多い。就職活動以前『暗黒城の魔術師』や『ドラゴンの洞窟』等のゲームブックに親しむ。小学生の時からオリジナルのゲームブック作成などの創作活動を始める。学級新聞を作ってもかならず小説を掲載したという。高校生のときには作詞作曲活動を始める。ファンタジーにどっぷりつかっていたという。三重高等学校入学時は学年トップの成績だったが、麻枝いわく、音楽にどっぷりハマっていたため、ほとんど勉強はせず、その結果学年10位にまで順位が下がったが、中京大学の成績優秀者への推薦入学枠にはなんとか滑り込み、受験せずに大学に入学した。大学時代は角川書店の『ザ・スニーカー』の小説コンテストや誌上トライアルコーナーにずっと応募するもいつも佳作止まりだった。また、卒業論文の共同執筆者から影響を受け、テクノを聞き始める。同時期には、現在も親交の深いという、友人の中川と共にTM NETWORKのフォロワー的アルバムを作ることを目的としたユニット、KIMELLA(キメラ)を発足し活動していた。就職活動-scoop入社大学時代は「ピコピコの前田」で名前が通っていたため、当初の就職活動もゲーム音楽を手がけることを希望しサウンドクリエーターとして、日本ファルコム、ナムコ、カプコンなどの入社選考を受けたが作品審査で選考落ち。就職先が決まらないまま夏休みを迎え、シナリオライターへの転向を決意。当時、コンシューマーはシナリオライターの未経験者採用をおこなっていなかったため、アダルトゲームの会社に狙いを絞り、大手のチャンピオンソフト(アリスソフト)と、当時、CGのクオリティが高かったscoopの内定を得る。アリスソフトが第一志望であったものの生存競争に生き残ることは難しいと判断し、scoopへ入社する。しかし、結局scoopの環境は肌に合わず、『カオスクィーン遼子』のシナリオを完成させた直後に退社する。Tactics入社-Key設立scoop退社後、当時ではさらにマイナーメーカーであったネクストン(ブランド名はTactics)に入社。『MOON.』、『ONE ~輝く季節へ~』 のシナリオ・音楽を制作した。しかし、当時のネット上でもう一人のシナリオライターの久弥直樹と比較され、「はずれライター」扱いされたことにショックを受ける。実際はニッチ(≒コア)な層からの評価を得ていたのだが、人気=高評価者の人数という観点では差があった。その後、会社との考え方の相違もあってTacticsを退社し、同僚の樋上いたるの紹介でビジュアルアーツへ移籍するとともに、新ブランドのKeyを設立する。このとき、いたるを含む開発チームの大部分のメンバーを引き連れており、「メンバーに悪いことをしたからには、成功せねばならないと責任を感じた」と後年語っている。Key設立後ビジュアルアーツ移籍後は、企画者、シナリオライター、作曲家(Key名義)として活動する。涼元悠一が企画・シナリオを手がけた『planetarian ~ちいさなほしのゆめ~』を除き、1999年に発売した第1作『Kanon』から2009年現在の最新作『リトルバスターズ! エクスタシー』にいたるまで一線で活動し続けた。現在は、企画およびシナリオは後進にまかせ、音楽活動等を中心に行っている。10年近く制作現場の中核的位置にいたことから、実質的なKeyの代表とみなされるようになっている。しかし、かならずしも麻枝が「Key」というブランドに固執していたわけではない。『Kanon』発売直後においては、『ONE ~輝く季節へ~』と同様に、久弥直樹の人気の高さに勝てなかったと感じていたため、自らの新ブランドの立ち上げ許可を、ビジュアルアーツの社長、馬場隆博に申請したこともある。しかし、久弥の個人的都合による退社でKeyへの一時的な残留が決定。一作限りということで、第2作の『AIR』の企画、執筆を行った。だが、『AIR』完成時には新ブランド設立時の相方となるはずだったイラストレーターと縁が切れており、以降もKeyに残留となった。3作目では、一旦、企画者から降りたが、別の担当者による企画が数ヶ月たってもまったく進まないという事態が発生。やむを得ず企画者に戻ったものの、3回も開発中止の覚悟をするなど制作は難航を極めた。しかし、3年半の年月の後、Key初の全年齢対象作品の『CLANNAD』が完成に至り、麻枝の作風の集大成ともなっただけに同作は非常に高い評価を受けた。だが、その後スピンオフ作品として比較的自由に作った『智代アフター ~It's a Wonderful Life~』では、麻枝いわく、「ボッコボコにユーザーに叩かれた」という結果になった。評価する声も決して少なくはなかったのだが、それ以上にバッシングが大きく、麻枝はショックのあまり1-2ヶ月の休職に追い込まれた。その後、なんとか復帰し、新人(都乃河勇人)の育成を兼ねて、『リトルバスターズ!』の企画、シナリオを手がけた。なお、現在開発中の『Rewrite』ではQC(クオリティコントロール / 制作監督)としての参加に留まり、ようやく、一旦、筆を置くことができている。『月刊コンプティーク』2007年2月号にて休筆宣言をした際は「麻枝引退!」と騒がれたが、「『次は誰かにまかせます』くらいの気持ちで言った」として、シナリオライターとしての活動継続の可能性は示唆している。2009年4月には、麻枝が企画、脚本、音楽を担当するオリジナルアニメを制作するというプロジェクトの『Angel Beats!』が発表された。公式ブログによると、1クール(ゲームで言う攻略キャラ一人分の長さ)を目安に執筆中とのこと。放送開始は2010年4月と公式サイトにて発表しており、麻枝自身は手応えを感じている様子。公式ブログ「Angel Beats!開発日記」によると、2009年春の段階からすでに脚本読みが始まっており、2009年10月28日のブログ記事では、最後の本読みが終わり全13話の脚本が完成し、この本読みを最後に再び休職に入ることを報告している。また、2004年より『ヒビキのマホウ』で漫画原作にも挑戦している。麻枝は『ヒビキのマホウ』はルーツとも呼べる物語だと語っている。作品の傾向 泣きゲーのパイオニアとして知られる。最初期の『MOON.』の頃からシナリオにおける泣かせ要素に注目しており、ジャンルを『鬼畜サイコ涙腺弛まし系ADV』としていた。続く『ONE ~輝く季節へ~』は泣きゲーの始祖的存在として 、後の作品に大きな影響を与えた。『MOON.』から数えて5作目となる『CLANNAD』で作風がほぼ確立。「電撃G's magazine」の美少女ゲームの人気投票で『CLANNAD』が1位に輝いた時、麻枝自身も「自分の中でもシナリオでは行き着くとこまで行っちゃって二度と超えられない壁になっている」とコメントしている。 テーマとして頻繁に取り上げらえるのは「死」と「家族(及び家族に準じる集団)」とである。「死」は感動を呼びこむための要素として麻枝作品で度々使われる題材である。しかし「死」というテーマの陳腐化が否めないことに麻枝本人も悩んでおり、『Angel Beats!』では死後の世界を舞台と設定することで登場人物が全員物語開始時点で既に死亡してしまっているなどの設定が考案された。「家族」に関しては『Air』までは母娘関係を取り上げていたが、近年は多人数間の友情を描く方向へとシフトしている(母娘関係を優先していたのは、出せるキャラクター数が限定されていたためである)。一方で、恋愛ゲーム、アダルトゲームのシナリオライターでありながら、恋愛描写、性的描写には殆ど重点を置かない。家族になる前の段階には興味がないとも述べている。 麻枝に影響を与えた人物の一人に村上春樹がいる。高校生の頃に読んだ村上春樹作品、特に『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』からは人生観が変わるほどの衝撃を受けた。その影響から「別の世界にいるもうひとりの自分」を想定し、それを作品に昇華させるようになったと語っている。。麻枝の作品には村上作品の影響からか、幻想的、形而上的な世界がしばしば登場する。また麻枝本人が度々言及しているように、『ONE ~輝く季節へ~』『Kanon』で同僚のライターであった久弥直樹の影響も大きい。両作品発表当時は久弥は麻枝よりも評価が高かったため、麻枝は久弥のシナリオを徹底的に研究して自分の作風へと取り入れた。『Kanon』の沢渡真琴に「肉まん好き」などの特徴を与えたのは、その一例である。 具体的な作風としては、テキストの特異性が挙げられる。学生時代に文章よりも音楽を志向していたためか、テキストのニュアンスは小説やシナリオよりも作詞に近い。麻枝本人は文章が短いほどいいとしている他、ビジュアルノベルスタイルだと文章の下手さが目立つとしている。また、全く関係の無い2つの事項を組み合わせてギャップを作り、感動や笑いを演出する手法を得意としている。シナリオ全体におけるシリアスとギャグのギャップも激しい。麻枝の手法は業界でも独特のものであり、強固なオリジナリティを持つ反面、模倣が難しい。そのため、麻枝作品の二次創作はいまひとつ盛り上がらない傾向がある。ただし、07th Expansionのシナリオライターである竜騎士07のように、麻枝の手法を自分の作風に取り入れた者もいる。作曲活動等企画、シナリオの他に主にKey Sounds Labelでの作詞、作曲活動も行っている。代表曲として「鳥の詩」(『AIR』のOP/作詞担当)や「時を刻む唄」(アニメ『CLANNAD ~AFTER STORY~』のOP/作詞、作曲担当)、「Love Song」(Key Sounds Label/作詞、作曲担当)などが挙げられる。Keyに関連した仕事が多いが『GUNSLINGER GIRL』等Keyとは直接の関係がないところでも曲を提供することも増えている。かつて存在した自身のウェブサイトをFlaming Juneと名付けるほどBTの「Flaming June」をこよなく愛し、「えいえんのせかい」はここから生まれたと述べるほど強い影響を受けている。また、『MOON.』では企画、シナリオの他に久弥直樹と共に、ファンの間からは非常に評価の高いデモムービーを制作したが、フォトショップの使用方法が分からず、ペイントで制作したという逸話が残っている。